有孔ブロック

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孔の空いた小さな四角いブロックがいくつも並んだ様子は、ちょっとモダンな香りがします。
その幾何学的な模様が家の前に佇んでいるだけで、住まい全体の洗練さが5割増。
たかだか100mm程度の小さなブロックなのにそのくらい大きな効果があるから不思議ですね。

そして見た目だけでないところが、またすごい。
光も風もしっかり通しながら、近隣の人々の視線を遮るし、
そのくせ外からはうっすらと人影を確認できるため、
不審者を発見しやすいといったセキュリティー効果もあるのです。

唯一の難点といえば、職人さんの手をわずらわせるところでしょうか。
コンクリートブロックにもさまざまなサイズがありますが
みなさんがよく見かけるブロックは基本型と言って、
約190mm×390mmの大きさです。
それに対して、こちらの有孔ブロックは約100mm角なので、横幅は約4分の1。
この小さなブロックをひとつひとつ積み上げ、縦横に一定の間隔で鉄筋を入れ、
隙間にモルタルを詰めていくわけですから、それはもう果てしない作業です。

始めからブロックがいくつも組み合わさった状態のタイプもあり、これは施工側としてはかなり楽なのですが、
どうしても工場で継ぎ合わせた目地(つなぎ目)と、現場で組む目地では感じが変わってきてしまいます。
美的感覚からすると、これは避けたいところです。

というわけで楽な方法などなく、少しずつ、地道に進めていきます。
ちなみに今回は17列を19段も積み上げ、1人の職人さんが2日半かけて完成させました。
その仕上がりはかなり見応えがあるものになっています。

2013 9/26 4:22 Posted by ST邸